宮戸島探検って?

2016年8月21日(日)、宮城県東松島市宮戸島で小学生を対象に、
「子ども記者」になって、インドネシアの若者と宮戸島を探検する交流事業を行いました。

<主催団体>NPO法人地球対話ラボ
<後援>東松島市教育委員会

実施概要

実施内容

一週間前:子ども記者キット(マップ、記者証、iPod touch、ハンドブック)を配布、ハンドブックを見ながら機器に慣れてもらいました

8/21(日)当日
10:00 受け付け開始
10:15 「事前プログラム」開始、iPod touch使い方の説明等
10:30 「子ども記者クラブ」開始。インドネシア人にビデオ撮影をしながらインタビュー
12:00 ランチタイム
13:00 2組に分かれて「宮戸島探検ツアー」開始
15:00 取材したビデオを編集
16:00 保護者を迎えて映像上映会開催 17:00 閉会式、解散

ねらい

東日本大震災で甚大な被害を受けた宮戸島とスマトラ沖地震で甚大な被害を受けたインドネシア・アチェ。地球対話ラボでは、2013年からこの両地域を結ぶ交流事業を行ってきました。宮戸島での交流拠点となっていた宮戸小学校が閉校となったため、今年度からはより広く、宮戸島における社会教育活動として活動を行っています。被災当時小学生だったアチェの20代の若者たちと津波の傷跡が残る宮戸島を歩き、連帯意識や防災意識を高める一方、その復興の足取りや島の魅力を子どもの視点から引き出していきます。

反響

保護者からは「自分のこどもの作品に感動しました。いつもは本当にマイペースで大丈夫かな、と思うんですが、親を離れると自分でいろんなことを発見するのですね。国際交流も貴重な経験で、何かを感じ取って今後につながっていくのかな、と楽しみになりました。本当にありがとうございました」との感想をいただきました。子どもの感想としては「宮戸島についてはじめて知ったことがたくさんあった」「インドネシアに行きたくなった」等がありました。事後アンケートによる子どもの肯定評価は88%でした。

フライヤー、探検マップ

 


告知ページ

こちら

REPORT「未来への種まき」

宮城県東松島市にある宮戸島は、2011年3月11日の東日本大震災で甚大な被害を受けました。その後の人口流出に伴い、島のコミュニティの中心でもあった宮戸小学校は今年2016年3月で閉校してしまいました。しかしこうした状況は宮戸島に限ったものではありません。震災は地方の高齢化・過疎化と都市部への一極集中を一気に加速させました。しかしながらそれはすでに震災以前から進んでいた、遠くない将来いつかこの国が直面する問題でした。
では、地方に未来はないのでしょうか。私は事態はまったく違う、むしろ逆だとすら思っています。地方に宝を見出すこと。そこにしかこの国の未来はないでしょう。しかもそこはいたるところ宝の山なのです。
縄文の時代から人が暮らしてきたこの島は日本有数の貝塚をもち、江戸時代に日本人で初めて世界を一周した千石船「若宮丸」の乗組員の出身地であったことからもわかるように、豊かな海とそこに根ざした生活というかけがえのない資源があります。そして宮城県の重要無形民俗文化財にも指定されている、子どもたちの鳥追い行事「えんずのわり」。そうした文化を大切に伝え続けるコミュニティの存在。お金に換算することなどとうていできないそうした社会資本こそが、世界に先駆けて超高齢化社会を迎えるわが国が掘り起こしていくべき宝に他なりません。
今回、東松島や石巻など、広い意味で地元のこどもたちが「子ども記者」となって行った「探検」は、私たちにとってかけがえのない財産となっていくことでしょう。それはいわば種まきです。その成果は今後、何年もかけて現れ、しっかりとした実を結ぶでしょう。
2004年のスマトラ沖地震による津波を体験したインドネシア・アチェの若者たちとの交流がもたらした価値も計り知れません。「地域の魅力さがしなのか国際交流なのか、焦点をしぼった方がいいのでは」というご意見もあるかもしれませんが、それは大きな誤りです。アチェという、東北と同じ被災体験をしながら、経済状況も年齢構成も宗教も全く異なる社会に身を置く者どうしが交流することで生まれる化学反応の萌芽が活動の中で散見されました。アチェの若者たちの信仰心への興味などはその最たるものでしょう。そうした自分たちとは全く違う価値観をもった人たちはどのように世界を見ているのか想像すること。それこそが逆説的ではあれ、地方で生き生きと生きていく、地方を生き生きと生かしていく、これからのヒントになるだろうと私は考えています。

子ども記者が見つけたもの

2016年8月21日(日)、その日8人の小学生が宮城県東松島市宮戸島に集まりました。「子ども記者」になって、インドネシアの若者と宮戸島を探検するため。
随行するのは2004年のスマトラ沖地震による津波で壊滅的な被害を受けたインドネシア・アチェから来た3人の若者たち。まずは彼らへの「記者会見」で取材練習をした後、赤組(縄文のさと・里浜とえんずのわり月浜コース)と白組(「若宮丸」乗組員の故郷・室浜と月浜の民宿取材コース)に分かれて探検へ。
外国人という外の目を交えながら、自分たちの住む土地で子どもたちが見つけた宝はさて、どんなものだったのでしょう。映像の編集とナレーションは法政大学の学生がサポートしてくれました。子どもたちのムービーレポートをご覧ください。

宮戸島探検

byゆうだい

なぎほ

8月21日

byなぎほ

きょうたろう

きょうたろうの夏2016

byきょうたろう



みさき

岬のみさき

byみさき



そーさん

byそーさん

まな

byまな

ゆうすけ

ゆうすけむび

byゆうすけ

ラッパー・ヒロム

西宏夢

byラッパー★ヒロム

報告ビデオ





2016年8月21日のワークショップでは、宮城県東松島市宮戸島の宝物を探しました。東松島や石巻の小学生がこども記者になり、インドネシア・アチェから来た若者たちとともに縄文時代の貝塚や日本人で初めて世界を一周した「若宮丸」の乗組員のお墓をめぐりました。
最後に映像として集めた「宝物」を迎えに来たおうちの方たちとともに鑑賞しました。

撮影・編集:須郷佳菜、大石恭平