ポノロゴ・アート・プロジェクト
参加企画と運営ボランティア募集中!
ポノロゴで、日本の地方の町・気仙沼とのつながりをテーマにしたアート・プロジェクトを行います!
テーマ:ポノロゴと気仙沼
会期:7/13〜7/23(準備は7/3〜)
会場:ポノロゴ市(オンラインで気仙沼市とつなぎます)
企画趣旨
ポノロゴと気仙沼とは、どちらも地方都市で、若者や働き手が町を出ていく問題に直面しています。気仙沼は2011年に津波で大きな被害を受け、一気に少子高齢化が加速しました。インドネシアなどから多くの若者を受け入れており、気仙沼に最も多くの若者たちを送り出している町がポノロゴです。それがいったいどのような意味を持つのか。それを私たちはどのようにとらえていけばいいのか。自分の人生との関わりの中で、どのような未来を描くことができるのか。ふたつの町を軸に、いろいろな人の思いをさまざまな表現によって可視化し、共有し、考えていきたいと考えています。
実施体制
▼主催団体:NPO法人地球対話ラボ:日本のNGO。これまでさまざまな国と日本の人々の交流 事業を行ってきました。インドネシアとは2013年から小学校同志のインターネットによる交 流事業や、若者たちによるアート交流などを行っています。
▼協力団体:ポノロゴ市、LPK BNS、アチェ・コミュニティアート・コンソーシアム、気仙沼 インドネシア友好協会、気仙沼インドネシアフェスティバル実行委員会、宮城学院女子大学 永田貴聖ゼミ、合同会社八日町まちづくり ほか
▼ディレクター:門脇篤:現代アーティスト。アートの知識やスキル、関心のあるなしにかかわ らず、あらゆる人が創造的な表現活動をする権利があると考え、各地でアート・プロジェクト を行っています。
実施内容と募集内容
オンライン説明会を行いました!
⑴プロポーザル企画の募集
「ポノロゴと気仙沼」をテーマとした企画を5本程募集します。どんな企画かがかわる企画書を提出してください。形式はどんなものでもいいです。記載内容の例としては、以下を参考にしてください。
① メンバープロフィール
② 企画背景
③ 企画内容
④ 実施スケジュール
⑤ 予算
スケジュール
▼募集開始:5/28(個別説明会はオンラインで随時実施)
▼オンライン説明会:6/10、8:00〜(インドネシア時間)
▼応募締め切り:6/26
▼面接:7/2
▼採択企画の決定:
7/2
▼実施準備:7/3〜
▼成果発表:7/13〜23
予算
企画1本につき5万円程度(企画を行う費用や報酬などすべてを含みます)
企画の例
日本へ行く実習生を主人公にした短編映画の制作
⑵運運営ボランティア募集。さらにボランティアの中から気仙沼で活動するメンバーを選定します。
アートプロジェクトをいっしょに運営するボランティアを募集します。終了後はサティフィケートを発行します。ボランティアの中から2023年10月に気仙沼を訪れ、さまざまな体験をし、今後両地域を結ぶ役割を担っていく人物を選定します。あなたがどんな人物かがわかるバイオグラフィーとどんなことをしたいかを書いて送ってください。
スケジュール
▼募集開始:5/28(個別説明会はオンラインで随時実施)
▼オンライン説明会:6/10、8:00〜(インドネシア時間)
▼応募締め切り:6/26
▼面接:7/2
▼活動期間:7/3〜23(カフェ運営期間:7/3〜7/6、7/13〜7/23)
▼気仙沼行きの人物決定:7/23
仕事内容
① ボランティアの管理と会計
② プロジェクトの広報
③ 「日本屋台」の運営
応募方法
プロフィールと志望動機を書いて送ってください。
「つながる日本屋台」について
私たちは月に1度、気仙沼で「インドネシア・カフェ」を開いています。これと対をなす「日本屋台」をポノロゴでオープンします。
「日本屋台」は、最初はテントとござでスタートします。その後、屋台を作っていきます。そこでは日本の飲み物や食べ物を提供するほか、日本の文化も紹介します。
オープン期間
7/3〜7/6、7/13〜7/23の11:00〜20:00
設置場所
ポノロゴ市中心部アルンアルン広場周辺
メニュー
抹茶、日本茶、たこ焼き、おにぎり、味噌汁、ポノロゴやジャワの食と日本食をミックスしたオリジナルメニュー
ワークショップ
日本食をつくるワークショップ、書道ワークショップ、大漁旗づくりワークショップ、テーマソングを作ろうワークショップ など
屋台の仕事
①屋台の運営(買い出し、調理、接客、片付け、事務処理)
②屋台づくり
応募方法
以下の3つのメールアドレスにメールで応募してください。インドネシア語のほか、英語、日本語でもけっこうです。
kad@kadowakiart.com
nattomaki0910@gmail.com
panlima@hotmail.com
件名に「ポノロゴ・アート・プロジェクトへの応募」と書いてください。
参考資料
インドネシアと気仙沼の関わりをテーマに制作したドキュメンタリー
助成
トヨタ財団
YS市庭コミュニティー財団
KDDI財団
宗教法人カトリック中央協議会カリタスジャパン
公益財団法人ノエビアグリーン財団
少子高齢化が進み、働き手が確保できない日本の地方で、「外国人でもいいから」と相手のバックボーンもわからずにいつしかたくさんの言葉もよく通じない、お互いに知り合う機会もない人たちと隣り合わせになった。あるいは地元に働き口がないがゆえに国内外へ出稼ぎに出る人が多く、たまたま選んだのが日本で、いったいどんなところかもわからずにやって来て、仕事も合わず、食事も合わず、職場と部屋を行き来するだけ。そういう切り取り方をすれば、技能実習生をという存在も、ある意味ではネガティブなものと言えるかもしれません。
しかし、彼らと関わり、いろいろな話を聞く中で、彼らは私にとって、ひとりひとりかけがえのないその人になっていきました。「もう仕事を辞めたい」とメッセージをくれた実習生が、その後地元のバドミントンクラブに入ったことで「おかげさまで毎日楽しいです」と返してきたり、実習を終えて帰国した実習生がSNSの無料通話で「また会いたいです。インドネシアの僕の家に来てくださいよ」と電話してきたり。
実習生のふるさとを訪ねる経験は、彼らへの見方をさらに変える体験でした。気仙沼の実習生のふるさとのひとつである東ジャワのポノロゴは、「レオ・ポノロゴ」という祭りで知られています。実習生たちからはそれを「踊り」と聞いていましたが、それは私が思う「踊り」とは全く違うものでした。シャーマンが先導し、本物のくじゃくの羽や虎の毛皮で作った巨大な面をつけて狂ったように踊り、途中で食事の場があり、「フルセットだと4〜5時間かかる」という、それは私が知っているものとは違う範疇の何ものかでした。
こうした驚きを共有したい。彼らがこんなところからきているのだということを伝えたい。そう思います。
実習生について、安い労働力として使い捨てにしているといったことが言われることもありますが、実際に私が出会った彼らはそんな「弱者」ではありません。日本での経験もなにもかも、すべて引き受け、自分の糧にして、自分や自分のまわりの人間が豊かに、幸せになれるようにと努力を重ねています。そのバイタリティこそ、日本に住む私たちが学ぶべきものだと思います。
「実習生」という存在によってつながれようとしている地域は、まったく異なるお互いの価値観や文化や風習を、少しずつどうにかしながら、その先を目指そうとしています。それは、まだ見ぬものを不安ではなく、未来として受け取ろうという態度です。その前向きな姿を、文化が生まれ出る瞬間を、見たい、かかわりたい。そう思っています(門脇篤、ディレクター)