実習生が撮った「実習生の日曜日」
同じ震災を体験した地域として、2004年のスマトラ沖地震の被災地インドネシアのアチェと、2016年からアートによる交流を行っています。そうした中、私の地元・宮城県にもたくさんのインドネシア人が住んでいることを知り、はじめて訪ねたのが2018年の暮れのこと。それ以来、気仙沼の実習生のみなさんにインタビューしたり、いっしょに料理をつくったり、バドミントンをしたりしてきました。 そんな中、町ではよく見かけるけれど、あまり話したことがないとお聞きし、実習生がどんな思いで日本へ来たのかをまとめた映像「気仙沼のインドネシア人」をつくったり、気仙沼みなと祭りでのインドネシアパレードや実習生のふるさとであるジャワ島に取材した映像をつくったりしてきました。
このビデオは、気仙沼の土木建設業・菅原工業で実習をするインドネシアからの実習生のみなさん自身が撮影した「実習生の日常シリーズ」から「実習生の日曜日」です。コロナでなかなか交流ができない中、iPhoneを渡して撮影してもらったものに日本語字幕をつけたものです。
映像に出てくる「Masako」は味の素がインドネシア向けに開発した旨味調味料(インドネシア語で「ミチン」)。「旨味(ミチン)世代」は、インドネシアで1990年以降生まれの世代を指して言う言葉で、どんな料理にもミチンばかり使う風潮から、ちょっとネガティブにブラックジョークで使われることが多いそうです。
はじめて会ったときは日本に来たばかりだったアトさんやブディさんももうすぐ帰国。日本での経験は彼らの人生にどう残っていくのか、とても楽しみであると同時に、彼らが気仙沼に残したものが何だったのか、それをさぐる役目を私たちは担っているように思います。